先日、漢方薬の講習会に参加した時に驚いたことがあります。
「風邪の初期には葛根湯」と何十年も信じ飲み続けてきたのですが、
「参蘇飲(ジンソイン)」という漢方薬も風邪の初期に効果があることを知りました。
東洋医学では、病気の状態を実証と虚証という言葉で表します。
人はそれぞれ、体質や病気になった時の症状の出方が異なっています。
そのような個人の特徴を捉える目安となるものが、実証と虚証ということです。
実証とは、正気(抵抗力)はあまり弱っていないのですが、
病邪が旺盛で、正気に打ち勝って人体を侵し、
本来身体に必要とされる気・血・水などの流れが悪くなり、発病する状態をいいます。
虚証とは、病邪はさほど強力ではないのですが、気・血・水などが不足し、
そのために臓腑の機能が落ちて正気(抵抗力)が弱り、
病邪に容易に侵され発病する状態をいいます。
葛根湯と参蘇飲の効能を調べてみると、
葛根湯は比較的体力のある人で自然発汗がなく、
悪寒・発熱・頭痛がある場合、参蘇飲は胃腸が虚弱で咳・痰がある場合とありますが、
風邪の初期で実証のときは「葛根湯」、虚証のときは「参蘇飲」が良いそうです。
思い返せば、私は虚証の時が多く、今更ながら参蘇飲の方が合っていたのだと思いました。
今度、風邪を引いた時には症状に応じて飲んでみようと思います。
東銀座整骨院・整体院・鍼灸院・マッサージ院:鍼灸師・あんま指圧マッサージ師/網代節子