どんな病気?
5歳を過ぎでも週に2~3回以上の頻度で少なくとも 3 ヶ月以上連続して夜間睡眠中の尿失禁(おもらし)を認めることを夜尿症と言います。約2:1で男児に多いとされています。 夜間尿量の多い多尿型、膀胱容量の少ない膀胱型、両者がみられる混合型の3つに分類されます。
主な原因は?
両親のどちらかに夜尿症の既往がある場合、40%のお子さんに夜尿症が出現するとされていますが、明らかな原因はまだわかっていません。
夜間睡眠中の覚醒障害を基盤として、抗利尿ホルモンの分泌不足による尿量増加や、排尿抑制機構の未熟性による膀胱容量低下が加わって起こると言われています。
西洋医学の治療方法としては①生活指導②アラーム療法③薬物療法などがあります。
夜間睡眠中の覚醒障害を基盤として、抗利尿ホルモンの分泌不足による尿量増加や、排尿抑制機構の未熟性による膀胱容量低下が加わって起こると言われています。
西洋医学の治療方法としては①生活指導②アラーム療法③薬物療法などがあります。
治療で期待できる効果
小児夜尿症に対して中医の弁証では下記の六つの「証」が考えられます。
・下元虚冷
顔面晄白、心身共に疲れる、腰や足がだるい、知力がやや劣る、寒がり、四肢逆冷、尿量が多く澄んでいる、舌質淡、舌苔白、脈沈遅で無力
・肺気虚
息切れ、自汗、風邪を引きやすい、声が低くて弱い、舌質淡、舌苔白、脈弱で無力
・脾気虚
食欲不振、腹脹、泥状便、舌質淡で辺縁に歯痕がある、脈虚で無力
・肝経鬱熱
尿量が減少して黄色、イライラする、怒りっぽい、顔と唇は赤い、舌質紅、舌苔黄、脈弦数
・陰虚火旺
体が痩せる、潮熱、舌質紅、舌苔少、脈細数
・痰湿内薀
多くは熟睡し目が覚めず呼んでも反応がない、舌苔滑膩、脈濡滑
- 夜間睡眠中の尿失禁回数の減少~完治
選穴
基本穴として中極、膀胱兪から選穴します。
・下元虚冷
関元、腎兪、命門を加えて補法を行い、お灸を併用
・肺気虚
肺兪、太淵、足三里を加えて補法を行う
・脾気虚
脾兪、足三里、太白を加えて補法を行う
・肝経鬱熱
肝兪、太衝、行間を加えて瀉法を行い、大敦を点刺
・陰虚火旺
腎兪、太渓、三陰交を加えて補法を行う
・痰湿内薀
中脘、豊隆、三焦兪、陰陵泉を加えて瀉法を行う