大脳皮質基底核変性症

どんな病気?

大脳基底核および大脳皮質の神経細胞が脱落し、タウ蛋白という異常なたんぱくが蓄積する変性疾患です。 大脳基底核の症状であるパーキンソン病様の運動症状(筋肉の硬さ、運動の遅さ、歩行障害など)と大脳皮質の症状(手が思うように使えない、動作がぎこちないなど)の両者を併せ持つことが特徴となります。40 歳代~80 歳代にみられ、ピークは60 歳代です。

主な原因は?

前頭葉と頭頂葉に強い萎縮が認められます。顕微鏡的には神経細胞の細胞が脱落し、神経細胞やグリア細胞の中に正常ではみられない異常構造が現れますが原因はわかっていません
大脳皮質基底核変性症

変性部位による症状

大脳皮質症候(変性部位:大脳皮質(特に前頭葉と頭頂葉))

  • 肢節運動失行:指先を使った細かい動作ができない(巧緻性の低下)
  • 観念運動失行:指示されたジェスチャー(gesture「身振りや手振り」)ができない
  • 他人の手徴候:一方の手が本人の意思とは関係なく他人の手のように勝手に動く現象
  • 拮抗性失行:両手の意図的な動作に目的と反対の動作や無関係な動作を行ってしまう現象
  • 協調した動作ができない

皮質性感覚障害

  • 二点識別覚:皮膚の2点を刺激してそれぞれが別の刺激と認識できない
  • 触覚:手掌に数字や文字を書いて判読できない
  • 立体覚:目を閉じて消しゴムや鉛筆、乾電池などに触ってその性状が分からない
  • 位置覚:自分の身体のあちこちを軽く触れて、触られた部位に反対側の手の指で正確に触ることができない
  • 重量覚:10 円玉と乾電池の重さ差が判別できない
  • 皮質性消去:左右対称的な部位に別々に触ればどちらも分かるが、両方同時に触れられると、片方に触れたことしか分からない。

大脳基底核症候(変性部位:大脳基底核(黒質・淡蒼球・視床下核))

  • パーキンソニズム:筋強剛、無動、姿勢保持障害など
  • 安静時振戦はまれ
  • その他:不随意運動(ジストニアなど)、認知機能障害が見られる

治療で期待できる効果

古代中国から伝承された方法で症状に対する鍼灸治療を行う。頭部、四肢末端の経穴を治療することによって大脳皮質に刺激を与え、脳回路を活性化させ、筋肉の緊張や痛みを軽減させ、大脳 皮質症候の改善を目指すほかに、認知症への予防も考えられます

  • 鍼灸+按摩指圧マッサージ+リハビリでの相乗効果
  • 病気進行の遅延或いは阻止
  • 脳回路の活性化
  • 四肢末端の痺れ、指の動きの改善
  • 筋肉強剛と疼痛の緩和
  • 体幹の安定やバランスの改善
  • ストレスの解消やうつ状態の改善
  • リハビリ併用による治療効果の持続

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